初七日とは?初七日法要の準備手順や費用、法事の流れを解説

初七日とは?初七日法要の準備手順や費用、法事の流れを解説

お葬式が終わると、法事の準備をしなければなりません。

そのうち、初めての法要となるのが、初七日法要。

初七日法要はやらなきゃいけないの?

法要の準備の仕方や持ち物は?

費用はいくらぐらい必要なの?

疑問に感じることがあっても、法事のことって、なかなか寺院や身内には質問しにくいものですよね。

そこで、ここでは、初七日法要に関して、日程や法事の準備の方法や持ち物、挨拶文、当日の流れなどを分かりやすく紹介します。

気になる費用についても解説しますので、どうぞお役立てください。

初七日(しょなのか)の意味とは?初七日法要の役割と法要を営む理由

なんとなく耳にしたことがあっても、初七日にはどんな意味があり、具体的に何の目的で法要を営むのか、よく分からない人は多いと思います。

そこで、初七日の意味や、法要を営む理由について解説します。

初七日の意味とは?

故人が亡くなった日を含めて、7日目に当たる日を「初七日」と呼びます。

人は亡くなると、極楽浄土へ向かって旅をします。

四十九日までの間は、あの世とこの世の狭間となる冥土という暗黒の世界で彷徨います。

初七日は、故人が三途の川のほとりへ辿り着く日。

その後、7日ごとに行われる閻魔様の裁判によって、三途の川に架けられた3種類のいずれかの橋を渡るかが決まります。

なお、三途の川とは、この3つの橋から名付けられた名称です。

悠々と渡れる立派な橋から、荒々しい激流に架けられた橋まで、どの橋を渡るかは生前の罪の重さによって異なります。

初七日法要の役割と法事を営む理由とは? 

初七日法要とは、故人が無事に三途の川を渡って極楽浄土を目指せるよう、僧侶の読経を伴いながら、参列者が祈りを捧げる儀式に当たります。

故人の冥福を祈る法要は善行とも言われ、人は善い行いをすると徳を得られるというのが仏教の教えです。

つまり、法要とは、故人のみならず、参列者にとっても意義のある行事となります。

また、初七日法要を営む施主は、故人への追悼と、僧侶や参列者へ感謝の気持ちを込めて、料理を振る舞います。これを「精進落とし」と呼んでいます。

おもてなしは礼儀を重んじる日本の習慣。

故人に代わってお礼を伝えるためにも、末永く良好なお付き合いを大切にするためも、法事は皆様にとって大切な行事といえるでしょう。

初七日法要はいつやるの?繰り上げ法要と繰り込み法要の違いとは?

初七日法要は、いつ執り行うべきか、迷う人もいらっしゃるでしょう。

ここでは、タイミングの違いによる初七日法要のやり方について解説します。

初七日法要では繰り上げ法要や繰り込み法要が主流

昔ながらの形式では、故人が亡くなった日を1日目として、7日目に初七日法要を営みます。

また、関西などの一部の地域では、故人が亡くなる前日を1日目とする場合もあります。

しかし、気苦労の多い施主や遺族にとって、お葬式から日にちが経たないうちに、改めて法事を営むのは大変なこと。

遠方の親戚や忙しい参列者に対して、再び足を運んでもらうのも気が引けますよね。

そこで近年では、多くの人がお葬式と一緒に初七日法要を営みます。

これを「繰り上げ法要」や「繰り込み法要」と呼びます。

繰り上げ初七日法要と繰り込み初七日法要の違いとは? 

繰り上げ法要と繰り込み法要とでは、火葬を基準にして、法要の順序が次のように異なることが特徴です。

  • 繰り上げ初七日法要:火葬が終わってから法要を行う
  • 繰り込み初七日法要:火葬の前に法要を行う

法要の順序が異なることによって、一般的には、法要の参列人数と当日の所要時間に差が生じます。

火葬場や斎場の空き状況などによっては、不可能な場合もありますが、要望があれば、あらかじめ葬儀社へお伝えすることをお勧めします。

繰り上げ初七日法要のメリットとデメリット 

繰り上げ法要は、告別式を終えて葬儀後に火葬場へ向かう際、法要へ参列する人数を調整することができるため、親族のみなど、少人数で厳かな法要を執り行うができます。

一方で、葬儀・告別式の後、火葬場への移動と、火葬と骨上げのため、2時間程度の時間が必要となります。

そのため、法要が始まるまで、繰り込み法要と比較して、2時間ほど法事の終了時間が遅くなってしまいます。

繰り込み初七日法要のメットとデメリット 

繰り込み法要は、葬儀と告別式の間で初七日法要を執り行うため、参列者全員が法要へ参列することになります。

そのため、参列者にとっては通常より20~30分程度、お葬式が長引きます。

その反面、法要を早く終えることで、火葬の最中に精進落としを行うことが可能となります。

お疲れの遺族や、遠方から参列する親戚にとっては、大幅な時間短縮ができることがメリットです。

初七日法要の準備方法とは?法事の用意の仕方と手順を分かりやすく解説

いざ、初七日法要の準備をしようとしても何から着手して、どのような手配をしたら良いのか分からない人もいらっしゃるでしょう。

ここでは、初七日法要の準備について、手順に沿って具体的な内容を解説します。

初七日法要の準備手順1「僧侶の手配と日程の決定」

まず始めに、お付き合いのある寺院へ連絡して、初七日法要の読経を依頼します。

お葬式と一緒に繰り上げ法要を行う場合は、葬儀社へも要望を伝えましょう。

末永く故人の供養をお願いする菩提寺とのお付き合いは、とても大切です。

忙しい住職や僧侶のスケジュールを優先して、法要の日程を決めます。

特に決まった寺院とのお付き合いがない人は、葬儀社へ相談すると近隣の僧侶を紹介してもらえます。

宗旨宗派や、希望の日程を伝えてください。

なお、自分で僧侶を手配したい人は、法要の読経を行ってもらえる僧侶手配サービスを利用すると便利ですよ。

「僧侶 手配」や「僧侶 派遣」で検索してみてくださいね。

初七日法要の準備手順2「法要案内による参加人数の確認」

僧侶の手配により日程が確定したら、法要案内を行います。

ここで知っておきたいのは、初七日法要では、「精進落とし」の食事の用意が必要であること。

法事では、「お斎(おとき)」と呼ばれる、おもてなしの食事を用意する必要があり、精進落としもお斎の一つに当たります。

そのため、食事の席を用意するために、人数を把握しておくことがポイントです。

なお、精進落としにあたっては、親族や故人の親しい人、お葬式を手伝ってくれた人などへ声を掛けます。

お葬式と別の日程で初七日法要を営む場合は、早めに都合を確認できるよう、電話で連絡をしましょう。

また、人数の確認は、なるべく手間がかからないよう、親族や故人の友人へ依頼して協力してもらうことがお勧めですよ。

初七日法要の準備手順3「法要会場の予約」

初七日法要の日程と参列者の人数が確定したら、法要を営む会場を予約します。

一般的にお葬式と一緒に法要を営む場合は、火葬場か斎場の法要施設を利用します。

その際、法要施設の予約は葬儀社が行うため、施主や遺族は手配の必要がありません。

自分で法要会場を予約する場合は、一般的に次の5ヶ所から場所を選びます。

  • 斎場や寺院や火葬場の法要施設
  • ホテルなどの施設
  • 霊園や納骨堂など埋葬先の法要施設
  • 地域の町内会館や公民館・自宅

なお、町内会館や公民館は、お線香を利用することから法事での貸し切りが不可能な場合もあるため、あらかじめ確認してください。

また、会場の手配で注意したいのは、駐車場の確保です。

僧侶や参列者など、車での参列が見込まれる場合は、近隣に駐車場があることや、法要時の空き状況に気を付けてくださいね。

さらに、施設を利用する場合は、精進落としのプランや費用を確認しておきましょう。

初七日法要の準備手順4「精進落としの準備」

初七日法要の会場が決まったら、精進落としの手配を行います。

斎場や法要施設で法事を行う場合は、施設が運営や提携をする仕出し料理店や飲食店を利用することが一般的のため、人数を伝えて予算を確認します。

自分で精進落としの準備を行う場合は、次のいずれかの手段を選びましょう。

  • 仕出し料理や仕出し弁当の手配
  • 法要施設や火葬場の近隣にある会席料理店やレストランへの予約

料理にこだわって自分で食事を手配したい場合は、法要のみを施設で行って、会席料理店や料亭などを予約しても構いません。

この際、スムーズに会食ができるよう、お葬式の流れを確認のうえ、移動手段や移動時間を加味してお店を選ぶことをお勧めします。

なお、斎場や法要施設と提携している飲食なら、割引などの特典がある場合もありますよ。

気になる人は、あらかじめ法要施設の利用サービスをチェックしておきましょう。

初七日法要の準備手順5「挨拶文の作成準備」

初七日法要では、施主が参列者に向かって挨拶をして、精進落としの席へご案内することがマナーです。

気心知れた親族のみの小さな法事なら、緊張することなく言葉を伝えられると思いますが、人前でスピーチすることが苦手な人もいらっしゃると思います。

法要の挨拶では、下書きの挨拶文を手にして読み上げても失礼にはあたりません。

うっかり忘れてしまったことを考えると、挨拶文はメモをして、喪服のポケットへ入れておくことが安心ですよ。

ただし、お礼の言葉は顔を上げ、しっかりと参列者へ向かってお辞儀による挨拶をしましょう。

初七日法要で精進落としの席へ案内するときの挨拶の例文

本日はお忙しい中、ご参列いただき誠にありがとうございました。おかげさまで、無事に初七日法要を終えることができました。

心ばかりではございますが、別室へ(近くに)ささやかな席を用意させて頂きました。お時間の許す限り、どうぞごゆっくりお過ごしください。

初七日法要の締めの挨拶の例文

本日はお付き合いいただき、どうもありがとうございました。

突然の出来事でまだ心の整理ができておりませんが、皆様のご支援や励ましのお言葉に、心より感謝いたしております。本当にありがとうございます。

今後とも変わらぬお付き合いをどうぞ宜しくお願い申し上げます。

初七日法要の準備手順6「持ち物の準備」

初七日法要に際しては、必要な持ち物が多くあります。

お葬式と一緒に法要を営む場合は忘れ物の心配もなく、基本的に葬儀社が用意してくれるため心配はありませんが、お葬式とは別の日程で法事を行う際や、個人で法要を営む場合はくれぐれもご注意ください。

初七日法要で必要な持ち物のリスト

  • 位牌:風呂敷や袱紗で包みます
  • 遺骨:風呂敷や布で包むか丈夫で安定したバッグに入れて持ち歩きます
  • 遺影写真:風呂敷や袱紗で包みます
  • お花・果物や菓子などの供物:法要施設へ確認して必要なら持参します
  • 返礼品:品物によっては参列者のために持ち帰り用の紙袋を用意します
  • お布施:袱紗に入れて持ち歩きます
  • 数珠:1人1つずつ自分のものを用意します
  • ハンカチ:黒または白の無地のハンカチ