喪主の役割
喪主は葬儀に関すること全般を取り仕切らなければなりません。
運営や関係者との打ち合わせ、列席者への配慮など様々です。葬儀が終わったあとも、定期的な弔事を引き続き担当します。
以下具体的な役割について説明していきます。
①会場や日程を決める
はじめに、会場を決めるため葬祭場に連絡します。
あらかじめ決まっている葬祭場がなければ、周りに聞いて調べることやネットで検索するなど、会場について情報収集が必要です。
葬祭場によって内容や費用にばらつきがあるため相場を調べておきます。
また日時の決定も大切な役割です。
日時を調整するときに親族の間で意見が分かれることがあります。
トラブル回避のため中心となり円滑に話し合いを進行します。
そのほか故人の写真の用意やお礼状、お花の選定なども喪主が担当します。
はじめて喪主を務める場合もあると思いますが、疑問があるときは葬祭場の担当者がサポートしてくれるので安心です。
②葬儀全体を主催する
当日は列席者への受付やあいさつがあります。
とくにあいさつは通夜や告別式など様々な場面がありますが、故人の代理として感謝を伝える気持ちを忘れてはなりません。
あいさつ文は事前に紙に書いて用意しておくと安心です。
会場ではバタバタと忙しく動くことはやめて落ち着いた行動に努めます。
立場をわきまえて終始故人を偲ぶ気持ちが大切です。
③お寺へ依頼
お寺への連絡も重要な役割の1つです。
先祖代々お世話になっているお寺が一般的とされています。
また当日は僧侶のお迎えやお布施の準備を忘れてはなりません。
お寺が遠いなどの理由で依頼が難しいときは、葬祭場から紹介してもらうこともできます。
④法事や法要など
葬儀が終わったあとも弔事は続きます。
法事や法要がスムーズに進むよう運営を指揮しなければなりません。
宗派によって日時や内容に差があるため、スケジュールを把握して計画的に動きます。
その際、親族や知人、友人への連絡に漏れがないようにします。
喪主がしてはいけないNG行為とは?
葬儀の主催者という責任ある立場から、列席者や僧侶に対して正しいマナーは必須です。
まず服装ですが、男性で和装の場合は黒紋付羽織袴、洋装ならモーニングか黒を基調としたフォーマルスーツです。
女性は和装だと黒着物、洋装だと黒ワンピースかフォーマルスーツを選びます。
靴も黒の光沢感のないタイプで、靴下やストッキングも同じく黒で統一します。
派手な服装はよくありません。
鞄もワニやクロコのような動物革は殺生を連想させるため避けるべきです。
また「忌み言葉」の使用は不謹慎とされています。
「忌み言葉」とは不幸の繰り返しを連想させる言葉で「またまた」「次々」「再び」などがあります。
言霊(ことだま)という考え方があるように、口で発したことが現実となることを避けるためです。
受付やあいさつのときは使用を控えます。
まとめ
ここまで喪主の決め方や役割、マナーについてご紹介しました。
この記事をまとめると以下の通りです。
- 喪主を決めるときは規則がないため、配偶者や親族が務めることが一般的であるが、遺言があれば希望者を優先する
- 1人で務めることが困難なときは複数人で請け負うことも可能
- 親族以外の知人や友人などが担当してもよい
- 代表的な役割には葬儀会場や日時の決定や各種関係者へ連絡、列席者や僧侶への対応がある
- 派手で装飾が豪華な服装は避けて、黒を基調とした喪服を着用するなど、会場の主催者としてふさわしいマナーを心がける
- 繰り返しの不幸をイメージさせる「忌み言葉」の使用は避ける