お葬式を終えると、忙しい日々が続きます。
四十九日に際して、なかなか準備が捗らない人や、そもそも何をしたら良いか分からない人もいらっしゃるでしょう。
四十九日までにやるべきことは?
四十九日法要の準備の仕方は?
お布施や法事の費用はどのぐらい?
手順を簡単に把握して、スムーズに準備ができると助かりますよね。
ここでは、四十九日までにやることや法事の準備について、分かりやすく説明しています。
さらに、お布施や法事の費用、四十九日法要の流れについてもご紹介しています。
四十九日とは?四十九日法要の役割と法事を営む理由について
四十九日(しじゅうくにち)という言葉を知っていても、その意味や、法要の役割を問われると、回答するのは難しいですよね。
そこで、まず始めに、四十九日の意味と、四十九日法要を営む理由を説明します。
四十九日って、どんな意味?
故人が亡くなった日を含めて、丸49日目に当たる日を「四十九日」と呼びます。
人は亡くなると、極楽浄土へ向かって旅をします。
闇のような冥土から、やっと三途の川を渡って、あの世へ辿り着くのが四十九日。
しかし、三途の川には3つの橋が架けられています。
頑丈な美しい橋、浅瀬を渡る橋、荒波により岩が打ち寄せるとても危険な橋。
どの橋を渡るかは、故人の生前の行いによって、閻魔様が決めると言われています。
そして、初七日から7日ごとに7回目を迎える四十九日は、閻魔様が故人の行く末について最後の判決を下す、とても重要な日となります。
四十九日法要の役割は?四十九日に法事を営む理由とは
四十九日法要は忌明け法要とも呼ばれ、故人が無事に極楽浄土へ行けるよう、読経を伴いながら参列者が祈りを捧げる儀式のことをいいます。
四十九日法要は、仏教の多くの宗旨宗派で「善行」に相当します。
善行とは、人は善い行いをすると、徳を得ることができるという考え方をいい、故人のために冥福を祈ることは、参列者にとってもメリットがあるとみなされています。
また、四十九日では、法要に列席してくれた人たちへ、感謝の気持ちを込めて料理を振る舞います。
この食事は「お斎(おとき)」と呼ばれ、日本に古くから伝わるおもてなしの習慣でもあります。
中には、四十九日法要を行わなければならないのか、悩んでいる人もいるでしょう。
その場合、法事という宗教的な概念ではなく、日本のしきたりや習慣として考えてみてください。
四十九日法要は、人が亡くなると行われてきた伝統行事。
親族や参列を望む人たちがどのように捉えるか、今後のためにも自分の立場を踏まえて検討いただければと思います。
四十九日法要の日程の決め方は?繰り上げ法要や繰り込み法要とは?
四十九法要を行う日をどのように決めたら良いか、戸惑っていませんか?
次に、日程の決め方について解説します。
四十九日法要は亡くなってから丸49日目を基本に日程を決める
四十九日法要は、亡くなってから丸49日目に執り行うことが理想です。
しかし、遠方の親戚に対する配慮などから、参列者が集まりやすいよう、土曜日・日曜日・祝日と、四十九日を基本として、付近の休日が選ばれることが一般的です。
スケジュールは、読経してもらう寺院へ相談のうえ、定めましょう。
四十九日法要はお葬式の日に初七日法要と一緒に営むことが可能
初七日法要では、多くの人が繰り上げ法要や繰り込み法要によって、お葬式と同時に法要を営んでいます。
実は、この四十九日法要においても、お葬式や初七日法要と同じ日に済ませることが可能です。
参照ページ:初七日とは?初七日法要の準備手順や費用、法事の流れを解説
四十九日で繰り上げ法要や繰り込み法要が行われない理由とは?
もし、お葬式の日に四十九日法要まで済ますことができたら、メリットが多いように感じますよね。
しかし、四十九日法要では、「開眼法要」と「納骨法要」という別の法要を兼ねて法要を営むことが一般的です。
お葬式ではこれらの法要を営む準備が整わないため、お葬式と一緒に四十九日法要を営んだ場合も、別途、開眼法要や納骨法要を行う必要があります。
そのため、四十九日法要は、丸49日目付近に設定し、その日程を目指して準備を整えるのが最良です。
四十九日法要で行う「開眼法要」とは?
開眼法要とは、魂入れとも呼ばれ、故人の魂を宿すことをいいます。
四十九日では、お葬式で使用した白木のお位牌を黒塗や唐木作りの本位牌へと交換します。
この際、魂を入れ替えるために読経してもらう法要を「開眼法要」と呼びます。
また開眼法要は、お仏壇やお墓を新調した時にも必要となります。
逆に、お仏壇やお墓を処分する時は、閉眼法要が必要となり、買い替えの場合には、この両方を行うことになります。
四十九日法要で行う 「納骨法要」とは?
納骨する場所がある場合、遺骨は四十九日に埋葬や納骨を行うことが一般的です。
新たにお墓の準備をするため、四十九日法要に間に合わない場合は、改めて納骨法要を営むことになるため、覚えておきましょう。
なお、新しく墓石を建立して遺骨を埋葬する際には、開眼法要と納骨法要を行うことになります。
四十九日までにやるべき5つのこと 四十九日法要に向けた準備リスト
ここではお葬式が終わってから、四十九日までにやるべきことをリスト化してご紹介します。
四十九日法要までにやること1「お香典返しの準備」
お葬式や法要では、参列者からいただくお香典や心遣いへお礼を行う習慣があります。
お香典返しやお礼状は、四十九日法要を終えてから送ります。
挨拶状の文面には、無事に四十九日法要を終えた報告と、お香典や心遣いへのお礼を記します。
ここでチェックして頂きたい事項は、次のとおりです。
お香典返しの金額チェック
お香典をいただいたそれぞれの人に対して、1/3から1/2のお香典返しができているかどうかを確認しましょう。
お葬式で当日返しにより、同じ品物を一律に用意した場合は特に注意が必要です。
高額のお香典をいただいた人に対して、追加の品物の用意を行わないことは失礼に当たります。
また、書留郵便や手渡しなど、お葬式以外の場でお香典を受け取った場合、お香典返しの対象リストへ追記し忘れていないかどうかも確認しましょう。
御礼状の準備
お香典返しは、挨拶状を添えることがマナーです。
葬儀社やデパートやギフト店などの専門店であれば、挨拶状の手配もスムーズですよ。
また、気を付けたいのは、お香典返し以外の御礼状です。
お葬式では弔電や供花や供物、入院時にはお見舞いなど、心遣いをいただいた人たちへは、手紙やハガキでお礼を伝えるのがマナーです。
四十九日法要までにやること2「本位牌とお仏壇の準備」
僧侶の手配により日程が確定したら、法要案内を行います。
ここで知っておきたいのは、初七日法要では、「精進落とし」の食事の用意が必要であること。
法事では、「お斎(おとき)」と呼ばれる、おもてなしの食事を用意する必要があり、精進落としもお斎の一つに当たります。
そのため、食事の席を用意するために、人数を把握しておくことがポイントです。
なお、精進落としにあたっては、親族や故人の親しい人、お葬式を手伝ってくれた人などへ声を掛けます。
お葬式と別の日程で初七日法要を営む場合は、早めに都合を確認できるよう、電話で連絡をしましょう。
また、人数の確認は、なるべく手間がかからないよう、親族や故人の友人へ依頼して協力してもらうことがお勧めです。
四十九日法要までにやること3「お墓や納骨先の準備」
既に埋葬するお墓がある場合、墓石や墓誌へ彫刻を行うため、事前に石材店へ彫刻や納骨作業の手配をしましょう。
また、生前に墓石を建立すると、赤い朱文字で彫刻されている場合があります。
この際、ペイントを塗り替える必要もあります。
なお、埋葬先や納骨先が決まっている場合は、管理事務所へ連絡をして、あらかじめ納骨法要の日時を伝えます。
四十九日法要までにやること4「期限のある手続き」
次は、四十九日までに済ませたい手続きについてご紹介します。
手続きにあたっては、死亡診断書が必要なケースを多いため、あらかじめ複写コピーを多めに用意しておくと便利です。
死後14日以内に手続きすること
- 住民票の世帯主の変更手続き
- 国民健康保険と介護保険の資格喪失届出
- 年金受給停止
- 国民年金や厚生年金の資格喪失届出
なるべく早めに手続きすること
- 預貯金の払戻し
- 生命保険の解約や受給手続き
- 雇用保険受給資格者証の返還
- 運転免許証の返却
- パスポートの返却
- 公共料金の解約や名義変更
- 携帯電話の解約
- 賃貸住宅などの解約や名義変更
- 乗用車の処分や名義変更
- その他 加入サービスの解約や名義変更
四十九日を過ぎても構わない手続き
- 国民健康保険の葬祭費・埋葬料請求
- 国民年金の死亡一時金請求
- 遺族年金の請求
- 社会保険の埋葬料請求
- 高額医療費の還付申請
- 所得税準確定申告と納税
- 相続税の申告と納税
四十九日法要までにやること5「四十九日法要と法事の準備」
続いては、とても重要な四十九日法要と法事の準備です。
手順を踏まえて、以下詳しくご紹介します。